統合失調症×症状

「統合失調症で働けないのは甘え?」──心ない言葉に苦しんでいるあなたへ

「統合失調症で働けないのは甘え?」──心ない言葉に苦しんでいるあなたへ

「働けないのは甘えなんじゃないか…」
そんなふうに自分を責めたことはありませんか?

あるいは、誰かに「怠けてるだけでしょ」と言われて傷ついた経験はないでしょうか。
僕自身、統合失調症を患ってから「働きたいのに働けない」時期が続きました。
周囲の目も気になるし、自分でも「このままでいいのか」と苦しくなることもあります。

でも今、声を大にして言いたいんです。
働けないのは、甘えなんかじゃない。
それは病気がもたらす「正真正銘の症状」だからです。

「甘え」という言葉が生まれる背景

社会には、「努力すればなんとかなる」「働かざる者食うべからず」という価値観が根強くあります。
統合失調症のように、外から見て分かりにくい病気は特に、「怠けてるだけ」と誤解されやすいんですよね。

僕も、病気になる前は毎日フルタイムで働いていました。

WEBエンジニアとして忙しくしていたし、何かをやり遂げることが当たり前だと思っていました。

だからこそ、統合失調症で仕事を辞めざるを得なかった時、自分を「ダメになった人間」のように感じたこともあります。

統合失調症がもたらす本当のしんどさ

統合失調症には、大きく分けて「陽性症状」「陰性症状」「認知機能の障害」があります。

僕の場合、まず現れたのは陽性症状の「妄想」でした。

次第に、誰かに監視されているような気がして、外にも出られなくなりました。

頭の中が騒がしくて、何をしていても集中できず、作業中にも思考が飛んでしまうことが何度もありました。

今でもA型作業所で作業をしているとき、ワークを並べている途中に思考が止まって、手が止まってしまうことがあります。

それが1日に何百回もあると、本当に「普通に働く」なんて無理だと痛感します。

それに加えて、薬の副作用や、やる気がまったく出ない「陰性症状」。
起き上がることすらしんどくて、布団から出るだけでも精一杯の日もあります。

それでも「何もしてない自分が情けない」と思ってしまうんですよね。

「働けない自分」に罪悪感を抱いてしまう理由

僕は、過去にネットで見つけた「公務員講座」で30万円だましとられた経験があります。

これも判断力の低下で起きたことです。

その失敗で「ちゃんと生きなきゃ」「お金を稼がなきゃ」と強く思うようになりました。

でも、思いとは裏腹に体が動かない。

結果、何もできない自分に強烈な罪悪感を感じる日々が続きました。

そうした気持ちが、「働けないのは甘えなんじゃないか」という自責につながっていったのかもしれません。

働き方にも「段階」があっていい

僕は今、A型作業所に通っています。
もちろんフルタイムではないし、体調が悪い日はお休みすることもあります。
でもそれでいいと思っています。

ワークを「並べるだけの軽作業」から始めて、集中する工夫を自分なりに見つけています。

例えば、作業中に鼻歌を歌ってリズムに乗ることで集中を保とうとしたり。
そういう「小さな自分のやり方」を見つけることが、リハビリの第一歩なんです。

いきなり一般就労で働かなくてもいい。
就労移行支援を利用するもよし、在宅ワークに挑戦してみるもよし。
回復段階に合わせた「働き方のグラデーション」があるべきです。

まとめ

  • 統合失調症で働けないのは「甘え」ではありません
  • それは病気の症状であり、体と心を守るための自然な反応です
  • 僕たちには「回復する時間」が必要です
  • 働き方にも段階があり、自分のペースで進めばいい

最後に

もし今、「働けない自分」を責めているなら、ちょっと待ってください。
あなたは、今日も病気と闘って、生きているだけで本当に頑張っています。
どうか、自分を責めずに、少しずつ、一歩ずつ。
僕も同じように、毎日を生きています。

あなたが統合失調症とうまく付き合える未来が来ることを願っています。